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賃貸管理で管理会社に支払う手数料はいくら?メリットと注意点も解説2023.03.07


収益不動産の運用において、固定費の削減は収益を最大化させる上で大きなポイントになります。
その中でも固定費として一番主な物が、管理会社に支払う管理手数料になります。

収益不動産にまつわる業務をまとめて委託できる管理会社は、本業で忙しいオーナー様にとっての強い味方になります。しかし、毎月かかる3〜10%の管理手数料は、固定費を削減し収益を最大化したいオーナー様にとって悩みのタネでもあります。

固定費を削減したいあまり、より管理手数料が安い管理会社への契約変更をお考えのオーナー様もいらっしゃるかと思います。
確かに、固定費を削減すると短期的に利回りは上昇し、収益は良くなります。
しかし、管理会社の選定において、管理手数料の安さだけで判断するのは非常に危険です。

確かに不動産の収益を最大化させるには、「収入-支出」を最大化することが必要となりますが、管理会社の選定においては、以下の2点に注意する必要があります。
①コストカットを最優先にするあまり、家賃収入まで減らしては意味がない
②賃貸経営におけるコストは管理手数料だけではないため、トータルのコストを考慮する必要がある

この記事では、管理会社の管理手数料の相場や含まれる管理内容についても説明した上で、管理手数料の安さで管理会社を選んではいけない理由と、管理会社選びのポイントを解説します

1.管理手数料の相場について

賃貸管理業務の一般的な目安は、家賃収入の3〜10%程度になります。

管理手数料は、基本的に上記のように「家賃収入(管理費・共益費含む)×○%」という形で決められていることがほとんどになります。

満室になれば支払う手数料は多くなり、逆に空室が多ければ支払う管理手数料は少なくなります。

2.安い管理会社について

上記の通り、管理手数料の相場は家賃収入の3〜10%程度が一般的です。
しかし、中には家賃収入の1〜3%程度に設定し安さを売りにしていたり、さらには管理手数料0円としている会社もあります。
特に、都心に近い物件や新築・築浅物件については、管理手数料を低めに設定しているケースが多くあります。

管理手数料の安さはとても魅力的ですが、それだけで管理会社を選定するのは非常に危険です。
管理会社の行う管理業は、慈善事業ではなくビジネスです。管理手数料が安いということは、他で収益源が設定されているということです。
契約にはどんな管理業務が含まれているのか、管理手数料の安さ以外の管理会社の強みは何か、管理業務の品質は確かか、といった様々な要素を確認する必要があります。

3.高い管理会社がいいとは限らない

管理手数料の安さだけで管理会社を選定しては危険と述べてきましたが、その中でもやはりある程度の基準は持つべきです。
当たり前ですが、管理手数料が高いから安心、というわけではありません。
管理料が高く、品質が安定していても業務の範囲が狭い、管理内容が充実していないといった状況であれば割高、いわゆる「コストパフォーマンス」が悪い状態になります。

では、どのような管理内容であればコストパフォーマンスが悪いと言えるのか。管理内容や手数料のプランは様々のため判断は難しいところですが、例えば家賃集金代行だけで5%の手数料を取られているなら、管理内容に対して管理手数料が割高である可能性が高いです。

今あなたが管理を任せている会社がこのようなプランであれば、同様の管理内容でより低い手数料の会社や、5%でもより管理内容が充実している会社に変更することを検討しても良いでしょう。

4.管理手数料に含まれる業務と含まれない業務

管理会社に管理を委託する場合、支払う管理手数料でどこまでの業務を実施するのかしっかりと確認する必要があります。業務によっては、管理手数料以外で費用がかかるものがあります。

家管理手数料が安くても、業務範囲が狭く追加で費用がかかってしまうと結果的に合計で高くなる可能性があります。

例えば賃貸管理手数料の設定が違うA社とB社に、同条件のアパートを1年間管理委託した場合のコストを比較してみましょう。

【A社とB社の賃貸管理手数料の条件】

A社B社
賃貸管理手数料/月家賃×5%家賃×3%
定期清掃/月なし
(管理手数料込)
5,000円
建物巡回/月なし
(管理手数料込)
5,000円
設備点検/月なし
(管理手数料込)
1万円
入居契約の更新料/件なし
(管理手数料込)
3,000円

【管理委託するアパートの条件例】
・家賃5万円の部屋10室(満室前提)
・定期清掃、建物巡回、設備点検を依頼
・1年間のうち、入居契約の更新は1室
A社・B社に上記アパートを1年間管理委託した場合、賃貸管理コストの比較結果は以下の通りです。

A社B社
賃貸管理定数料30万円
(5万×10室×5%×12ヶ月)
18万円
(5万×10室×3%×12ヶ月)
定期清掃0円6万円
(5,000×12ヶ月)
建物巡回/月0円6万円
(5,000×12ヶ月)

賃貸管理手数料だけ見ると、B社(3%)の方がA社(5%)より安く見えます。
しかし定期清掃などのオプション料金・入居契約の更新料等が発生するB社は、トータルで見るとA社の総額を上回ってしまいます。

この他にも、以下の通り費用が別途かかります。

原状回復費


単身向けの部屋で5~15万円程度が目安。部屋の広さや汚れ・傷、経年劣化などの度合いによって大幅に異なるため、一概には判断しづらい。
内容は、ルームクリーニング、エアコンクリーニング、クロス張替え、クッションフロア張替え、畳交換、設備(キッチン、浴槽など)の補修・交換など。

設備の修繕・交換費


給湯器、エアコン、換気扇、水栓、照明器具、給排水ポンプ等の修繕・交換費用。発生頻度や種類によって金額は異なる。

緊急対応費


漏水、鍵の紛失や設備異常等の緊急で対応が必要な場合に発生する費用。

これらの原状回復リフォームや設備の修繕などは、発生する頻度が不定期なことから、管理手数料とは別にその都度費用がかかります。(当社では、オーナー様の支出を一定化、退去・不具合発生からリフォーム対応までの期間を短縮すること等を目的としてこれらの修繕費用が定額制となるプランも用意しています。)

賃貸管理会社を選ぶときは、賃貸管理手数料だけでなく、賃貸管理手数料のみではでどの範囲を管理してもらえるのか、その他で料金などがどれくらいかかってくるのかを見極め、トータルでコストを見極めることが必要です。

5.管理手数料が安い管理会社の危険性について

2.で先述したように、賃貸管理業はビジネスです。慈善事業ではありません。慈善事業でないということは、必ず収益を上げる必要があり、管理手数料が安いということはその他で収益を上げる必要があるということです。
管理手数料以外の収益源の例としては、4.で紹介したような原状回復費や設備の修繕・交換費等が挙げられます。

こうした収益構造の管理会社の場合、オーナーと管理会社の間で利益相反となる可能性があります。管理費収入で収益が上がらない分、不必要な設備の修繕工事を提案したり、工事費用が相場よりも高額であったりすることもあります。

これでは、オーナー様が目指す収益の最大化収益の最大化実現とは逆の方針になってしまいます。 管理手数料は安いはずなのに、気づけばオーナーの手元にはお金が残らず、管理会社ばかりが儲かっているという事態になりかねません。

このように、収益構造によってオーナー様と管理会社で利益相反となってしまう会社に任せるよりも、利益の相反しない管理会社に任せる方が、オーナーの安定的な利益につながります。管理会社を選ぶ際には、管理プランなどからその会社の収益構造に着目してみると良いでしょう。

6.まとめ

賃貸管理手数料の仕組みや、相場についてご紹介しました。 手数料が「安い」だけで賃貸管理会社を選ぶと、思わぬ別途費用が発生してトータルコストが高くなる可能性があります。

また適切な管理業務が行われず空室が増えて、かえって家賃減収につながるリスクも。
賃貸管理会社を選ぶ際は

・賃貸管理手数料が相場に比べ安いか
・成約料金やオプション料金まで見て、トータルコストが高くならないか
・入居者募集や賃貸管理業務を適切に行えるか


といったポイントが重要です。
賃貸管理手数料を削減しながら、安心できる賃貸管理会社をビジネスパートナーに選んで、安定した賃貸経営をおこないましょう。

この記事を書いた人

富永 和洋|株式会社和紗 代表取締役
所有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー

上尾市を中心に埼玉で不動産管理事業を行っています。仲介業を行っていないからこそ建物管理の本質であるビルマネジメントにも力を入れており、本当の意味でオーナー様と同じ目線に立ち収益の最大化を実現させます。

上尾市を中心に埼玉の不動産管理会社である和紗をもっと詳しく知りたい方はこちら

この記事を書いた人

富永 和洋|株式会社和紗 代表取締役
所有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー

上尾市で不動産管理事業を行っています。仲介業を行っていないからこそ建物管理の本質であるビルマネジメントにも力を入れており、本当の意味でオーナー様と同じ目線に立ち収益の最大化を実現させます。

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