リフォームやリノベーションにおいて、投資効果を意識したことはあるでしょうか。
収益不動産の運用していく上で、リフォームやリノベーションは家賃を上昇させたり、空室を埋めたりするのにとても重要です。
しかし、何も考えずに実施してしまうと、折角資金を投じたのに効果がなく、投資額が無駄になることがあります。
リフォームやリノベーションで投資効果を生み出すためには、しっかりとした戦略が必要です。
ここでは、収益を最大化させるリフォーム・リノベーションの考え方について説明していきます。
1.リフォーム・リノベーションの実施タイミングについて
リフォーム・リノベーションを実施するタイミングとして、 購入時(再生、全空)、退去発生時、大規模修繕時 の3つが一般的です。
購入時
物件の今後の運用方針を固めます。具体的には、「高額家賃を狙うのか、低額家賃で運用するか」「長期運用か、売却前提の短期運用か」といった点です。そして、これらの方針に沿って施行内容を決めていきます。
高額家賃が狙えそうな物件については、物件のエリアや高額家賃を支払う入居者のニーズに合わせ、設備や内外装を一新する必要もあります。
反対に低額家賃での運用を目的とする場合は、清潔感を意識し、劣化が著しい場所のみに限り修繕をする程度でいいでしょう。
また、長期運用を目的とする場合は建物の劣化を抑えるために屋上防水や鉄部・外壁の修繕工事も必要となります。実際に事故が起きてからの修繕ですと、予算が立てづらくより費用がかかることが多いため、予防保全的な措置が非常に有効です。
退去発生時
退去時のリフォームは、原状回復工事が基本となりますが、状況に合わせて収益性が設備をアップグレードするなど、工夫も必要になります。
また、
原状回復工事の際に行うリフォーム・リノベーションは、非常に投資効果が大きいです。
例えば、原状回復を行う場合は10万円、設備のアップグレードを行う場合は30万円の費用がそれぞれかかるとします。通常は、単純に10万円と30万円を比較するかと思いますが、ここでは原状回復費用10万円との差額でコストを考えます。
なぜなら、
リノベーションをしないとしても10万円は絶対にかかってしまう
からです。
となると、再投資した金額は30万円-10万円=20万円と考えられます。
本来30万円かかる工事が、実質20万円で実施が可能になります。
このように、原状回復工事の実施タイミングではコストを圧縮でき、投資効果も大きくなるのです。
大規模修繕時
不動産を所有し、維持していく上で必須となるのが大規模修繕工事です。主な内容としては、鉄部・外壁修繕、屋上防水などで、大体13~15年ごとに行うと言われています。しかし、収益物件では20年行われていないものもザラにあるので、購入の際は注意が必要です。
大規模修繕工事を怠り、思わぬ事故が発生してしまうと、緊急工事となり相見積もり等の時間もなくなるため、工事価格の精査も難しくなります。 定期的な大規模修繕工事を予定しておくことで、運用上の予算も立てることができるようになるため、保険や修繕積立金、減価償却等を意識しつつ、税制上有利なタイミングを見ながら実施すると大変効果的になります。
2.リフォーム・リノベーションの利回りについて
さて、方針と内容が決まった時点でいよいよ利回りの算出です。
・駅近、築20年、1K、25㎡のスペック。
・10年住んだ元入居者が退去。原状回復費のほとんどはオーナー負担になり、費用は10万円。
・競合物件も増えており、原状回復のみで貸し出す場合の賃料は55,000円になる。
・原状回復に合わせ、水回りの更新を決定。初期費用万30万円のコスト。実施しなくても原状回復費として10万円はかかるので実質20万円の工事
・導入後の家賃は60,000円を想定。
次は収益と利回りです。
リノベーションによって5,000円の賃料上昇、年間の収益は6万円となります。利回りの算出は年間収益÷コストで、上述の通りリノベーションコストは20万円となるので、単純に利益をコストで割ると、利回りは30%と算出できました。
さて、利回りが算出されたら、あとは「この利回りをどう考えるか」です。
原則としては、現物件の利回りとの比較で決めることになるでしょう。物件の利回りよりリフォーム・リノベーションの利回りが高くなる場合は実施すべき ですし、物件の利回りを下回るなら、あまり効果のないリフォーム・リノベーションとなってしまいます。
リノベーションの利回り < 現状の物件の利回り ⇒ やる必要がないかも
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。物件を購入する時と同じく、リフォーム・リノベーションでも利回りを確認する必要があります。なんとなくではなく、データと数字を提示することで収益を最大化させていくことができます。
ぜひ、参考にしてみてください。
富永 和洋|株式会社和紗 代表取締役
所有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
上尾市を中心に埼玉で不動産管理事業を行っています。仲介業を行っていないからこそ建物管理の本質であるビルマネジメントにも力を入れており、本当の意味でオーナー様と同じ目線に立ち収益の最大化を実現させます。
富永 和洋|株式会社和紗 代表取締役
所有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
上尾市で不動産管理事業を行っています。仲介業を行っていないからこそ建物管理の本質であるビルマネジメントにも力を入れており、本当の意味でオーナー様と同じ目線に立ち収益の最大化を実現させます。