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【不動産投資入門編】理想の利回りとは? 基礎知識含め解説!2024.01.30

不動産投資は将来的な収益を追求する手段として魅力的ですが、その成功は利回りの理解と計算にかかっています。
今回の記事では、利回りの基礎知識と理想の利回りについて解説していきます。

1.不動産投資の利回り基礎知識

この章では、まずは簡単に不動産投資の利回りにの基礎知識について解説していきます。

1-1. 利回りとは?その重要性を理解
不動産投資における利回りは、投資した資産から得られる利益の割合を示します。
例えば、1年間100万円投資でその資産から10万円毎年利益が出るとすると、利回り10%ということになります。 不動産に言い換えると、投資した資産=収益不動産となり、投資した資産から得られる利益=家賃収入となります。

1-2. 表面利回りと実質利回りの違い
表面利回り: 年間賃料収入を総投資額で割った割合を示す。
初期段階の投資評価に利用されるが、経費や空室リスクが考慮されておらず、実際の利回りを正確に反映しない。 

実質利回り: 賃料収入から発生する諸経費を差し引いた実際の投資収益率。
より現実的で将来的なリスクを正確に予測できるが、精密なデータと予測が必要。

2.利回りの計算方法とポイント

不動産投資において、正確な利回りの計算は重要です。
利回りは投資の収益性を評価するための指標であり、慎重な計算と適切なポイントの把握が不可欠です。
以下では、利回りの計算方法とポイントについて詳細に解説します。

2-1. 表面利回り計算の手順
最も簡単に算出可能な利回りを、「表面利回り」と言います。
表面利回りの計算は以下の手順で行います。

表面利回り=年間家賃収入÷物件購入金額

不動産投資サイトや仲介サイトに載っている利回りは、殆どがこの表面利回りで表示されています。

2-2. 実質利回り計算の手順
次に、表面利回りの計算式に細かい経費を加えた「実質利回り」の計算式を紹介します。
実質利回りの計算は以下の手順で行います。

実質利回り=(年間収入-経費)÷(物件購入金額+購入時費用)

不動産投資サイトでは基本的に記載がなく、自分で算出する必要があります。 実際に投資を行う際にかなり重要になります。

 2-3. 利回りシミュレーションの活用法
利回りシミュレーションは、将来の予測やリスク評価に役立つツールです。
以下のポイントに注意しながら、利回りシミュレーションを行います。
・表面利回りの活用方法
物件の簡易的な検討に役立ちます。 その物件の詳細を問い合わせるかどうか、競合物件との簡易的な比較等に役立ちます。

・実質利回りの活用方法
物件の購入等、より深い検討段階で役立ちます。
物件を購入する際は、必ずこの実質利回りで収支のシュミレーションを行いましょう。

3.不動産投資の利回り相場とエリア別の違い

不動産投資において、利回りは地域によって異なり、その相場や違いを理解することが成功の鍵となります。
以下では、不動産投資の利回り相場とエリア別の違いに焦点を当てて、その詳細を解説します。
3-1. 全国・地方の利回り相場比較
不動産投資の利回り相場は全国各地で異なります。大都市圏では物件価格が高く、利回りも郊外に比べると低くなる傾向があります。
しかし、その分郊外物件と比べると賃貸需要が高く空室が発生しにくい為、安定した家賃収入がみこめます。
また、土地の下支えがあるため、物件の価格は落ちにくく、売却時に購入時と大きく下落しない価格で売却することが可能です。
一方で、地方や郊外のエリアでは物件価格が比較的抑えめになります。
これにより、低い購入価格で高い利回りを確保できる可能性が高いです。
ただ、大都市圏に比べると賃貸需要が低く空室率が上昇しやすかったり、売却時に購入金額から大きく下落するリスクがあります。
投資家はリスクとリターンのバランスを考慮し、自身の投資戦略に合わせたエリアを選定する必要があります。

3-2. 不動産投資の目的やエリア選びの重要性
不動産投資の目的やエリア選びは、利回りに直結する要因です。
以下のポイントに留意しながらエリアを選定することが重要です。

投資目的の明確化: 利回りを求めるだけでなく、資産の保有期間や将来の利益を明確にし、それに合ったエリアを選定することが大切です。
長期的な安定収益を求めるならば、需要が安定している地域が適しています。

地域の発展性と需要予測: 選定したエリアが今後の発展が期待できるかどうかを確認し、需要の予測を行います。
新しいインフラやビジネスの進出が予想されるエリアは、将来的な資産価値の上昇が期待できます。

地域の特性とリスク: 地域ごとに異なる特性やリスクが存在します。
例えば、観光地ならば季節的な需要変動があるかもしれません。
地域の政策や地震などの災害リスクも考慮し、それに応じた対策を検討することが必要です。

4.理想的な利回りとリスク管理

ここまで、不動産の利回りについての基礎知識を解説してきました。
それでは、不動産投資において、理想的な利回りとは一体何%を指すのでしょうか。
結論から申し上げると、理想的な利回りは人(条件)により違うため一概には言えない、ということになります。
ただただ高利回りならば良い、というわけではないのです。
高利回りの裏には、必ずなんらかの理由があります。
そこで本章では、理想的な利回りが人により違う理由、高利回り物件に潜むリスクについて、詳しく解説します。

4-1. なぜ人により理想の利回りは違ってくるのか  
理想的な利回りの違いは、その人の不動産投資の目的により違いがでます。
例えば、収益不動産の運用の他に本業が他にあり、不動産で収益を上げるよりも本業の収益性が高いのであれば、利回りが良くなくても手間がかからずリスクが少ない不動産を運用する方が安定します。
反対に、収益不動産の運用一本で生活していく場合は、もちろん地周りが高ければ高いほど良いとなります。
本業が他になければ、時間も多く不動産に割けるはずなのである程度リスクが高くても対応可能ですし、そこに時間を割いた方が安定します。
4-2.高リスク・ハイリターンの関係性
高利回り物件は通常、高いリスクも伴います。
そもそも物件が高利回りになる理由は、価格が安いことが殆どです。
物件価格が安いということは、物件になんらかの瑕疵がある場合があります。
築年数、再建築不可、大規模修繕が必要な箇所がある等、想定される瑕疵は様々です。
以下に、高利回り物件にありがちなリスクを解説していきます。

・物件そのものに瑕疵がある場合
 高利回り物件は、物件の築年数がかなり経過していたり、老朽化しているのにも関わらず再建築が不可であったり、大規模修繕が必要で多額の出費が必要であったりと、物件そのものに対してのリスクがあります。
これらのリスクは、修繕や保守にかかるコストが増加する可能性を高めます。
特に長期的な視点で見ると、これが利回りを圧迫する原因となります。
また、立地が良くても再建築不可物件だと、建て替えの必要が出ても実行できなかったり、出口戦略で不利になったりと多くのリスクが存在します 。
・物件の立地が悪い場合
そもそも物件の需要が低い 高利回り物件は、需要の低さや立地条件の不利さを抱えた物件が多いです。
そもそも需要が少ないので、一度空室が発生すると長く次の入居者が決まらないことがあります。
また、その空室を埋めるために家賃を下げるなどの対策を行う必要があります。
これらのリスクは、直接的に賃料収入に影響を与える為、利回りを減少させる要因となります。

4-3. 利回りが低くても魅力的な物件の特徴
 高利回りだけが物件の魅力を決定するわけではありません。
低い利回りでも魅力的な物件が存在し、安定性や将来性が投資価値を高めます。
以下では、利回りが低くても魅力的な物件の特徴に焦点を当てて説明します。

特徴1: 安定した需要と低いリスク
低利回りの物件は通常、需要が安定しており、入居率が高い傾向があります。
地域の人気やインフラ整備が進んでいる場所では、空室が発生してもすぐに次の入居者への入れ替わりが可能です。
また、そもそもの立地が良ければ、物件に瑕疵があったり、建て替えの必要性が出たとしても土地の下支えもあるので、出口戦略でも有利に働きます。

特徴2: 長期的な成長が期待できるエリア
将来的な発展が見込まれるエリアでは、低い利回りでも資産価値の上昇が期待されます。
新しいビジネス地区やインフラ整備が進む場所は、将来的な需要増加が見込まれ、出口戦略の際に価格が購入時より上昇していたりと、投資家にとって魅力的なポイントとなります。

5.利回りを上げる不動産投資戦略:収益アップ目指して

不動産投資において利回りを上げることは、投資家にとって重要な目標です。
本章では、購入前のリスク管理から資産運用の観点、そして税金節約といった戦略を紹介し、収益を最大化する不動産投資戦略について掘り下げていきます。

5-1. 購入前のリスク管理:物件価格や修繕費の見極め
購入前のリスク管理は、利回りを上げるための基本です。以下は具体的な戦略です。

戦略1: 適正な物件価格の見極め
物件の適正価格を正確に評価することが重要です。
同様の物件や地域の相場を調査し、物件自体の状態や周辺環境などを考慮して、適正価格を見極めましょう。
高くても将来的な価値向上が期待できる場合は検討の余地がありますが、そのリスクも理解しておく必要があります。
戦略2: 修繕費用の見積もりと将来のリスク予測
物件の状態や老朽化の程度を正確に評価し、将来的な修繕費用を見積もることが必要です。修繕が必要な箇所や改善が可能なポイントを把握し、そのコストを計算して購入に臨みましょう。
これにより将来的なリスクを軽減し、予期せぬ出費を最小限に抑えることができます。

5-2. 資産運用の観点からの利回り最適化:固定費削減など
 購入後の運用においても、様々な観点から利回りを最適化するための戦略があります。

戦略3: 固定費の削減と適切な資産管理
不要な固定費を削減することで、利回りを向上させることが可能です。
例えば、エネルギー効率の向上や最新のテクノロジーを導入することで、ランニングコストを削減しましょう。
また、資産管理は定期的な点検やメンテナンスを行い、将来的なトラブルを予防することが利回り向上に繋がります。

戦略4: 可変費の最適化
可変費の見直しも大切です。
保険料や利息などは交渉の余地があり、これらのコストを最適化することで、資産運用全体の収益を向上させることができます。
複数の提携業者や金融機関との交渉が重要です。

5-3. 税金節約と利回り向上:経営効率を高める方法
税金の適切な管理も利回り向上の鍵です。以下はその具体的な戦略です。

戦略5: 節税対策としての修繕費用の計上
修繕費用や改修費用を節税対策として計上することで、税金を節約できます。
ただし、法的な要件を満たすためには、正確かつ適切な帳簿管理が求められます。
専門家との協力や税務アドバイザーの助言を受けることも賢明です。

戦略6: 税制優遇を利用した資産活用
地域や物件の種類によっては、税制優遇を活かすことができる場合があります。
例えば、特定の地域での新築物件や再開発プロジェクトに対する税制優遇があるか確認し、それを活かすことで税金負担を軽減できます。

戦略7: 資産の再評価とキャピタルゲインの最適化
不動産の価値が上昇した場合、資産の再評価を行い、キャピタルゲインを最適化することが重要です。
これにより、将来的な売却時に税金負担を最小限に抑えることが可能です。

6.まとめ:利回りを上手に活用し、成功する不動産投資へ

不動産投資において利回りは、成功への道を切り開く鍵となります。
これまでの章で紹介した不動産投資の基礎知識や戦略を踏まえ、利回りを上手に活用することで、より安定的で持続可能な投資が可能です。

1. 利回りの基礎知識を理解することが重要
不動産投資を始める際には、まず利回りの基礎知識を理解することが不可欠です。
表面利回りと実質利回り、そして各種の不動産投資の利回りの違いを把握し、自身の投資目的に合った適切な選択を行いましょう。

2. 高利回り物件にはリスクが伴うことを認識し、適切な対策を講じる
高利回り物件は魅力的ですが、その裏にはリスクが潜んでいます。
徹底的なデューデリジェンスや適切な管理体制の構築など、リスクヘッジ策を講じつつ、投資を行うことが必要です。

3. 利回りが低くても魅力的な物件の特徴を理解する
利回りが低い物件でも、安定性や将来性に優れた特徴があります。
需要の安定性やエリアの成長見込みを考慮し、単なる利回りだけでなく、物件の全体像を見ることが重要です。

4. 購入前から資産運用までの戦略的なアプローチを取る
購入前の慎重なリスク管理から、資産運用における戦略的なアプローチまでを取ることが利回りを最大化する鍵です。
物件価格の適正見積もりや修繕費用の見極め、固定費や可変費の最適化、そして税金の適切な管理など、多岐にわたる要素を考慮した戦略が求められます。

5. 利回りを活かし、成功する不動産投資への展望
利回りを上手に活かすことで、不動産投資は成功につながります。
安定的な現金収入や将来のキャピタルゲインを追求し、リスクを最小限に抑えながら持続的な成果を上げることが可能です。

総括すると、不動産投資において利回りはあくまで手段であり、目的を達成するための重要な要素の一つです。しかし、それだけに埋もれず、総合的な視点で物件や市場を捉え、戦略的なアプローチを心掛けることが不動産投資の成否を左右します。成功の鍵は、知識と計画に裏打ちされた利回りの上手な活用にあります。不動産投資は未来への投資であり、着実な一歩を踏み出して、将来の安定と成長を築き上げましょう。

この記事を書いた人

富永 和洋|株式会社和紗 代表取締役
所有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー

上尾市を中心に埼玉で不動産管理事業を行っています。仲介業を行っていないからこそ建物管理の本質であるビルマネジメントにも力を入れており、本当の意味でオーナー様と同じ目線に立ち収益の最大化を実現させます。

上尾市を中心に埼玉の不動産管理会社である和紗をもっと詳しく知りたい方はこちら

この記事を書いた人

富永 和洋|株式会社和紗 代表取締役
所有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー

上尾市で不動産管理事業を行っています。仲介業を行っていないからこそ建物管理の本質であるビルマネジメントにも力を入れており、本当の意味でオーナー様と同じ目線に立ち収益の最大化を実現させます。

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