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【収益の最大化を実現するために】テナントリテンションとは2023.03.24

1.テナントリテンションとは

テナントリテンション(Tenant retention)とは、元々海外で発祥の考え方で、日本では「入居者保持」と訳されます。収益不動産運用において、「入居者様に長く住み続けてもらうための努力や工夫」のことを指します。 近年、このテナントリテンションは賃貸経営において重要であると言われるようになってきました。収益の最大化を目指す上でも、非常に重要な要素になります。
しかし、この考え方はあまり知られておらず、実施できているオーナー様や管理会社も少ないのが現状です。
そこで今回は、テナントリテンションの基礎をお伝えします。

2.なぜテナントリテンションが需要なのか

「敷金・礼金」についてはよくご存知かと思います。これまでは、退去時に預かった敷金から原状回復の費用を差し引くことができた上、入居者が入れ替わる度に支払われる礼金がオーナー様の大きな収入となっていました。そのため、 かつての賃貸経営では、「入居者にはすぐに退去してもらい、どんどん入居者は入れ替わった方が良い」という考え方がオーナーに浸透していました。

しかし、時代は変わりました。少子化による人口減少を主な要因として、 現在では入居時に礼金を取れる物件は多くありません。
また、 2020年の改正民法で、「通常使用での損傷や劣化の修繕費は家主持ち」と定められ、敷金から原状回復の費用を差し引くことが難しくなりました。
以上のことから、ゼロゼロ物件と呼ばれるような「礼金も敷金もゼロ」といった物件まで登場しています。
これらの要因から、ほとんどの物件で敷金・礼金収入が見込めなくなり、入居者に入れ替わってもらうことにうまみがなくなりました。
そのため、 現在の入居者に長く住んでもらった方がメリットは多くなってきており、賃貸経営でもテナントリテンションという考え方が浸透し始めるようになったのです。

3.テナントリテンションを行うと、物件の稼働率が上がる

テナン卜リテンションを表す数値として、稼働率という指標が用いられます。計算式は以下の通りです。

稼働率 = 入居期間 ÷ ( 入居期間 + 空室期間 )

また、「稼働率表」を利用することでも稼働率がわかります。下の稼働率表から見てみましょう。

例①:入居期間2年(24ヶ月)、空室期間6ヶ月の場合、稼動率は80.00%
例②:入居期間2年(24ヶ月)、空室期間2ヶ月の場合、稼働率は92.31% br例③:入居期間6年(72ヶ月)、空室期間6ヶ月の場合、稼動率は92.31%

上の表からも分かるとおり、入居期間が長くなればなるほど、入居率は安定して上がっていきます。仮に大規模リフォーム等で空室期間が長くなったとしても、稼働率は下がりにくくなります。つまり、 長期間住んでもらうことが、退去後の空室に対しての大きなリスクヘッジとなるのです。

4.稼働率上昇のメリットとは

稼働率上昇大きなメリットは、空室発生による損失が発生しづらくなり、収益性が上がることです。

入居者が退去すると、下記のように様々な損失が発生します。
①クロス張り替え等の原状回復費(故意汚損、破損等、賃貸人の責めに帰すものを除く)
②クリーニング費
③古い設備等の交換対応費
④入居者募集の際に発生する広告費(フリーレント等家賃損失含む)
⑤空室期間中の家賃損失や家賃の減額

上記の損失発生を抑える為、テナントリテンションによる稼働率の上昇が重要になるのです。

5.テナントリテンションの具体例

具体例は以下の通りです。
①設備の見直し
②契約更新者へ対しルームクリーニングサービスを実施
③更新料の減額・免除
④ペット可物件に切り替える
⑤入居者へのカタログギフトプレゼント

その他、物件の立地や入居者により喜ばれるものは変わってきます。
ぜひ、物件に合った提案を検討してみてください。

6.まとめ

テナント・リテンションは、物件や管理状態の不満が原因での退去を防ぎ、入居者からの不満、要望を分析して改善することで、 不動産収益の最大化を実現させるための重要な考え方です。
適切な対策を行えば、入居者は保有効果(一度高い価値を感じると手放したくなくなる)という感情も働き、解約抑止に繋がる可能性が高くなります。

賃貸経営の収益最大化に必要なテナント・リテンション、まずは実践できるところから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

富永 和洋|株式会社和紗 代表取締役
所有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー

上尾市を中心に埼玉で不動産管理事業を行っています。仲介業を行っていないからこそ建物管理の本質であるビルマネジメントにも力を入れており、本当の意味でオーナー様と同じ目線に立ち収益の最大化を実現させます。

上尾市を中心に埼玉の不動産管理会社である和紗をもっと詳しく知りたい方はこちら

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富永 和洋|株式会社和紗 代表取締役
所有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー

上尾市で不動産管理事業を行っています。仲介業を行っていないからこそ建物管理の本質であるビルマネジメントにも力を入れており、本当の意味でオーナー様と同じ目線に立ち収益の最大化を実現させます。

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